クジラと生きる町、太地町へ:くじらの博物館展示物編
『太地町立くじらの博物館』といえば、貴重な標本の数々
前回は飼育されている鯨類を紹介しましたが、今回は他では中々見ることのできない展示物をご紹介します
館内に入ると迎えてくれるセミクジラ(実物を型どったらしい!)
全身骨格もたくさん
あまりに高い密度で展示されているので普通に見てしまいましたが、一点一点立派
ナガスクジラ(メス)生殖器
セミクジラ(オス)生殖器、上向きver
こっちは下向きver
くじ博は鯨類の胎児液浸が多く展示されていることでも有名
一番見たかったシャチ胎児液浸
液浸なので色は抜けていますが、状態は良く、綺麗な状態
観察しがいのある標本でした
吻には感覚毛
鯨類のヘソの緒はイボイボ
ペニスと肛門の間には乳首(というか痕跡乳首?)
シャチのオスはけっこうはっきりと乳首跡があるようで、他の鯨類のオスだと乳首跡はあったりなかったり、鯨種や個体差でまちまちみたい
資料があったら造形に役立ちそう
マッコウクジラとザトウクジラの胎児
形態が大きく異なるマッコウとザトウだけど、胎児の時点でその差ははっきり
スジイルカ胎児
発生時期ごとに展示されているのは流石です
セミクジラ噴気孔
眼
開いているものも見てみたいところ、鯨類のU字型瞳孔も観察できたら、なお嬉しい
心臓
まるで植物の根のよう
メスの生殖器断面
かすれた表記など、時代を感じます
尾びれ
昔、造形している時に尾ヒレの断面がどうなってるのかよくわからなくて
イルカの解剖を見に行ってはじめて断面がこのようになってると知ったんですよね
なるべく正しく、そして迫力のある造形をしたいので、標本や解剖は僕にとって必要なこと
展示されている液浸は全体的に綺麗でした
聞けば、最近液を置き換えたばかりらしい
近年、多くの博物館でホルマリンをエタノールに置き換えているようです
セミクジラあたりの液浸はまだ置き換えていないのか、中に空気入ってたりしてちょっと見づらめのものも
ですが一生に見ることがあるか危ういセミクジラの体の一部を、こうやって生で見ることができるのは嬉しい
館内の至るところには鯨類の模型が
こちらは鯨作家の山門さんの作品
館内入り口にショップがあり、一角には
『Whale Art-Museum』として山門さんはじめ、今回お世話になった鯨作家の皆さんの作品が展示されています
いずれも一点物に近い、手間と時間のかかった作品たちで、購入もできます
鯨類好きにはたまらない内容なのでオススメです
僕もいつか水族館や博物館に作品置いてもらえるようなるぞ〜
くじ博と聞いて、『腹ビレのあるイルカ、はるか』 を連想されるからも多いのではないでしょうか
残念ながら死んでしまいましたが、多くの資料や標本が展示されていたので、じっくりと学んできました
なんと他にも腹ビレ鯨いたのですね
腹ビレの中身どうなっていたんだろう‥‥形とかも気になるな〜
はるかが捕獲された時、腹ビレはたまたまできた肉の隆起物だと勝手に想像していたのですが、実際、中にはしっかりとした骨格が
自分で腹ビレを動かすこともできたそう
他にもひとかきして泳ぐ距離:一泳動距離の研究ではるかの遊泳能力が劣ること、腹ビレの存在によって行動が複雑になっていること、ジャンプ時の姿勢など、はるかの発見から死亡、その後の経過がパネルで展示されていました
『太地町立くじらの博物館』
前回は飼育されている鯨類のことを書きましたが
ともに展示されている多くの貴重な資料を合わせて見ると
改めてここ、くじ博は鯨類を感じ、学べるすばらしい施設だと分かりました
本州ほぼ最南端、中々通えない距離ではあるのですが、ある飼育のお兄さんが『若いうちにここに来たかった』と言っていたのが印象的で、確かのここにはその価値があると感じました
僕もいつか、鯨類と距離の近い街に住んでみたい、そう思わせる多くの魅力がここにはありました。
次回『クジラと生きる町、太地町:太地町という町』へ続く
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